小売店や飲食店などで起業する場合、「原価率」も経営を維持するうえで重要な指標のひとつです。原価率の計算方法や、業界ごとの目安について解説します。
原価率とは、売上に対する原価の割合のことです。原価は商品の仕入れにかかった費用ですから、原価率が低いほど収益性は向上します。原価率は、以下の公式で求められます。
・原価率=原価÷売上×100
例えば、売上が500万円で原価が150万円の場合、原価率は150万円÷500万円×100=30%になります。
ひとくちに原価といっても、いくつかの種類があります。小売業における原価を例に挙げると、「仕入れ原価」と「売上原価」の2種類を用いるのが一般的です。
仕入れ原価とは、商品の仕入れや製造にかかった原材料の購入費用のことです。この場合、売れ残った商品に関しては考えず、原価率は上記で示した売上に対する原価の割合で算出します。
これに対して売上原価とは、売れた商品に対しての仕入れや製造にかかる費用のことです。このなかには、製造不良で廃棄した商品などのロスも含みます。
売上原価は、前期に売れ残った在庫(期首の在庫)と当期の仕入れ原価、そして期末の棚卸金額を使って算出します。計算式は以下の通りです。
・売上原価 = 期首の在庫商品金額+当期仕入れ原価-期末の棚卸金額
一例として、50円で仕入れた商品を100円で販売している会社で、期首の在庫が10個、当期の仕入れ数が200個、期末に5個の在庫が残ったとします。この場合の売上原価は、次の通りです。
期首の在庫商品金額:50円×10個=500円
当期仕入れ原価:50円×200個= 10,000円
期末の棚卸金額:50円×5個=250円
売上原価:500円+10,000-250=10,250円
売上高は100円×205個=20,500円ですから、この商品の売上原価率は以下の通りです。
売上原価率:10,250円÷20,500円×100=50%
原価率は、業界によっても異なります。
例えば小売店の場合、原価率は50~75%くらいが一般的とされます。安売りが自慢のスーパーマーケットだと70%前後のところが多いようです。
飲食店の場合、原価率は30%前後が多くみられます。飲食店では、調理やサービスなどの人件費が占める割合が大きいため、原価率をできるだけ抑えないと経営が苦しくなるのです。
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